そう、、 作るのが簡単でサクッと作れるのです!!!


どんなものか まずはYouTubeに動画あげたのでご覧ください
概略はわかっていただけたかと思いますが動画で言えなかった情報を何点か書きます。
まず なぜ作ったのかですが
4年前に 似たような小型のスキャナーを製作しました。

これは小型で 本を開く角度も小さくページがしっかりガラスに密着し本の位置もしっかり決まる使いやすいものでした。
しかし問題点は光源が ガラス面に近いため 本の閉じてある内側が暗くページの外側が明るいという不均一な明るさの写真になってしまうことでした。
数か月前 私の動画を見られた方が同様の物を段ボールで制作に挑戦されたけど残念ながらうまくいかなかったという書き込みをされました。
挑戦されたのは嬉しく しかし作り難い為 うまくいかなかったのは設計者として済まない気持ちでもやもやしていました。
これを踏まえて今回
誰でもDIYで作れる 特別な道具がなくても制作出来るスキャナーと言うことで今回制作してみました。
設計は4年前の小型で本を開く角度が小さいという長所を残し以下の様に改良、変更をしました。
1、紙面を均一な明るさで照らすため光源の位置を出来るだけ遠くに置く。
2.最近 スマホのカメラの解像度も上がり デジカメ持っていない人も多いでしょうからスマホのカメラで撮影するようにしました。
3.スキャナー本体を木材ではなくNTカッターとサンドペーパーで加工できるスチレンペーパーを使用する。実用に耐える強度を持たせる設計にする。
参考の設計図です。
私はiPhone6Sを使用しました。 このカメラは水平画角64度、垂直48度です。
紙面とカメラの距離はこのカメラを前提に決めてあります。使われるカメラが違う場合 カメラからガラス面までの距離は調整する必要があります。

300x450のスチレンボードの板取り図と 側面、上面図です。 対応する部品が分かるよう文字を入れてあります。



材料について
使うスチレンボードは 300x450x5 で2枚貼り合わせて10㎜厚にして使います。(ガイド と 追加の補強は5㎜厚)。 貼り合わせるため1枚は裏に接着剤の付いたもので色は黒です。
ホームセンターなどでデコパネの名で売っています。
接着剤は ボンド ウルトラ多用途SU レギュラー 黒 です。
http://www.bond.co.jp/bond/special/su/lineup_regular/
http://www.bond.co.jp/bond/detail/001325001837/
この接着剤は 結構粘度が高く コーキングの様に隙間などを埋められますが接着剤の厚さが誤差にならないよう注意が必要です。
無反射ガラスは ヨドバシカメラの通販で買いました。
ライオン無反射ガラス 六切 203×254 2㎜厚
http://www.yodobashi.com/product/000000110295000030/
アルミ板は 200x300で厚さは 1-1.5㎜です。 私は手持ちの1.5㎜を使いましたが1㎜でも大丈夫かと思います。 バックパネル(スマホが取り付けられる板)からアルミ板を支えるよう余ったスチレンボードで補強すると良いと思います。
使用するサイズは190x254で アルミ板をカッターで両面から出来るだけ深くケガキ折り曲げて切断します。
スマホを取り付ける為のソフトケース(ハードケースは取り外しが困難でダメ)
工具について
NTカッターは大きめのものが必要です。

カッターで切った切り口は注意して切っても直角になっていませんし2枚を張り合をせても多少のずれが出来てしまいます。
この切り口をまっすぐで直角にするために2枚を張り合わせてから小口をサンドペーパーでやすります。
3㎝角ぐらいで長さ30㎝ぐらいの角材の 1面に120番位のサンドペーパーを両面テープか糊で貼り付けます。

これで 平らに置いた板の小口をやすり2枚の段差がないように、サイド板は両側が同じ大きさになるように整形します。
組み立てでの注意点
部品の準備
底板の1辺を63度に削る。 側面図を見ると解るように バック板と接する部分は角度が63度である為事前にサンドペーパーを貼った角材で 斜めに削ります。 側板に当てチェックしながら出来るだけ正確に削ります。 バック板の63度は組み立ててからはみ出しているところを平面になるよう削るので部品では適当に削っておけばOK。
ガラス面に接着されている補強桟も照明の邪魔にならないよう角を適当に落としておきます。
カメラのレンズが覗く穴あけ
バック板は 2枚を貼り合わせる前に 1枚に直径10㎜ 他の1枚に20㎜の穴をあけておきます。 私は刃の付いたコンパスを持っていたのでこれで開けましたが 綺麗な円で無くてもよいので小型のカッターや彫刻刀で切り抜いてもOK

アルミ板の内側になる面を黒くしておきます。 マジック、スプレー塗料、黒い紙を貼る、黒のガムテープを貼る どの様な方法でも良いですが サイド板と接着する部分は 何もしません。
サイド板、底板、バック板、補強桟、アルミ板、の加工がすんでいよいよ組み立てです。

ガラス板の上にサイド板を接着します。 サイド板が垂直になる様、接着剤の厚みが厚すぎないようしっかり押し接着します。 サイド板の70度の角がガラス板の端に合うよう位置を決めます。 サイド板が垂直になる様 チェックし箱の様なもので支えます。この第一歩が重要です。

アルミ板接着。

下の写真の様に アルミ板がガラス板に被さる様に取り付けます。

底板を両側からクランプして接着。 バック板を取り付ける面が平らになっていることが重要。 多少の凹凸は接着後 角材に付けたサンドペーパーで平らにする。

バック板を接着。 重しを載せると良い

スマホのレンズの中心が設計した場所になる様、スマホが水平になる様注意深くスマホケースを両面テープで貼り付けます。

片側のガラス面とアルミ面に 本を置くときのガイドを貼り付けます。

補強の為 バック板とアルミ板の角に細板を接着。角には十分接着剤を入れます。

バック板の角を底板と平面になる様サンドペーパーで削ります。

サイド板と底板の接合は強度上重要です。 余ったスチレンボードを光路を遮らないよう注意して内側の角に接着し補強します。

底板はクランプで抑えられるため 凹んでしまう可能性があります。できれば小さなベニヤ板を貼っておくと良いでしょう。私はスチレンボードの残りを貼りクランプは強く締めないようにしています。

その他
手ぶれを防ぐため リモコンがあると良い。
照明に LEDバーライトを使う場合 光のスペクトルが自然光と違い色の再現性が悪くなる場合があるので注意が必要です。
ホワイトバランスだけでは調整できないこともあります。
高演算色LEDバーライトなど色再現性に注意を払っているものだと安心です。
蛍光灯スタンドも使えます。 長さは250㎜位は欲しい。


写真を撮るアプリは オートのものでなく マニュアル設定できるものが良いです。
ホワイトバランス、フォーカス、露出 シャッタースピードを固定してスキャンしないとページごとの色調や外光によって撮影結果がばらついてしまいます。
結果と感想
スチレンボードは簡単に加工出来て思ったより丈夫でした。これは接着剤が優秀なのも理由でしょう。 作っても強度不足で使い物にならないのではと心配しましたが杞憂でした。
明るさの不均一さはほとんど感じられません。
本を開く角度が70度と狭いため本の閉じ目に近い側もガラス面から浮かずきれいに撮影できます。
手前側のガイドを無くしたため本を手前に引いて持ち上げることができハンドリングが楽になりました。 これはページめくり、本の反転と1冊スキャンするとき多数回必要な動作を改善して生産性を上げると思われます。
Happy Book Scnng !!!
角度を測るのか少し難しかったですが、うまく作ることが出来ました。スチレンボードはカインズホームで1000円くらいはしたのですが後でダイソーに売っている事に気付いて少しショックでした。中々実用的で、簡単に作れるので助かりました。ありがとうございます。
2017.10.06 16:34 URL | redrum #- [ 編集 ]
Hi
Could you please how i can calculate every angle,the distance range from the camera to the glass surface could you suggest me please
Thankyou
2017.10.28 01:52 URL | Song #- [ 編集 ]
このコメントは管理者の承認待ちです
2017.11.01 03:38 | # [ 編集 ]
スチレンボードは面だしと、接着が非常に難しかったです。
この設計で、MDF材とグルーガンに置き換えることで、同じものが実現できるでしょうか?
素人には、接着剤での接合がとても難易度が高かったです。
2019.11.26 22:57 URL | つくってみましたが・・ #mdgUF9TI [ 編集 ]
> スチレンボードは面だしと、接着が非常に難しかったです。
> この設計で、MDF材とグルーガンに置き換えることで、同じものが実現できるでしょうか?
> 素人には、接着剤での接合がとても難易度が高かったです。
製作ご苦労様でした。
私は家具を作っているので木工は道具もありScannerはほとんどMDFと接着剤で作っています。この設計もMDFで制作したほうが丈夫にできますが 加工接着共にスチレンボードより難しいです。
2019.11.27 09:55 URL | tges #- [ 編集 ]
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2020.05.29 20:06 | # [ 編集 ]
このコメントは管理者の承認待ちです
2022.02.01 21:29 | # [ 編集 ]
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